舌側(裏側)矯正のメリットとデメリット|効果や費用も徹底解説
はじめに
「目立たない歯科矯正をしたけど費用が高くて悩んでいる」「目立たない矯正装置で美しい歯並びを手に入れたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。
歯科矯正をすることで、歯並びのコンプレックスを解消し自信を取り戻せるほか、口内トラブルの改善や予防にも繋がります。
本記事では、目立たない矯正方法「舌側矯正」のメリットやデメリット、どのような症状の方が舌側矯正に向いているのか解説します。
舌側矯正にかかる費用や、費用の負担を軽減する方法も紹介するので、歯科矯正を検討している方は参考にしてください。
舌側(裏側)矯正とは?
舌側(ぜっそく)矯正とは、裏側矯正とも呼ばれています。その名の通り、歯の裏側に矯正器具を装着し歯並びをきれいにする、ひとつの歯科矯正方法です。
歯科矯正では最もポピュラーな「表側矯正」と同様、ワイヤー矯正のため矯正力は強く、高い効果を発揮します。舌側矯正は、歯科矯正で気になる矯正器具の「見た目」の悩みを解消してくれます。
歯科矯正器具の見た目が気になる方や、人前に出る機会の多い方、楽器演奏やスポーツなどで矯正器具との干渉を避けたい方などにおすすめの矯正方法です。
また、舌側矯正は他人に気付かれにくいことから「矯正器具が気になって人前で思いきり笑えない」などの歯科矯正におけるコンプレックスを解消し、自信にも繋がります。このように、歯科矯正に抵抗がある方でも取り組みやすいのが、舌側矯正の魅力です。
しかし、どの矯正方法にもメリットやデメリットは存在します。そのため、治療を開始する前に知っておくことが重要です。舌側矯正を検討している方は歯科医師と相談し、自分の症状に合った適切な矯正方法を選択しましょう。
舌側矯正のメリット
舌側矯正にはさまざまなメリットがあります。具体的には以下の通りです。
矯正器具が目立たない
舌側矯正は、歯の裏側に矯正器具を装着します。そのため、覗き込むなど故意に見ようとしない限り、矯正器具が他人に見えることはほとんどありません。
矯正器具が目立たないことは、舌側矯正の最大のメリットといえます。仕事で人前で話す機会が多い方や、矯正器具の見た目が気になって矯正に前向きになれないといった方でも取り組みやすい矯正方法です。
虫歯になりにくい
舌側矯正は、虫歯のリスクを軽減したい方にもおすすめの矯正方法です。
そもそも、虫歯がなぜできてしまうのかご存じでしょうか。虫歯は、歯の表面についた歯垢(プラーク)に菌が棲みつき、糖分を栄養にして酸を出します。この酸が、歯の表面のエナメル質を溶かし、穴を開けてしまいます。これが虫歯のメカニズムです。
歯の裏側は唾液で満たされているため、自浄作用(洗浄効果や殺菌効果)が働いています。そのため、舌側矯正は表側矯正と比較すると虫歯のリスクが軽減されるのです。
だからといって、油断してはいけません。歯の裏側は矯正器具を装着していなくても磨きにくい箇所なので、歯科衛生士に定期的にチェックしてもらうことをおすすめします。口内環境を清潔に保つことを心がけましょう。
舌癖防止になる
舌癖(ぜつへき)とは、舌で歯の裏側を押したり、歯と歯の間から舌を出してしまったりする舌の癖のことです。無意識にしていることが多く、自分では気付かない人も少なくありません。
しかし舌癖は、歯並びや滑舌に大きく影響してしまいます。舌癖がある場合、矯正器具が舌に当たるため自然と予防できます。そのため舌側矯正は、舌癖を予防したい方や治したい方にもおすすめの矯正方法です。
食事を気にせずできる
歯科矯正をすると、矯正器具に食べ物が挟まることがあります。表側矯正の場合、食べ物が挟まってしまうと目立ってしまうので、気になって食事に集中できない方も多いでしょう。
しかし舌側矯正の場合、表から見えないため、周りの目を気にすることなく食事を楽しめます。そのため、ストレスなく食事を楽しみたい方におすすめです。
舌側矯正のデメリット
舌側矯正のメリットを紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。歯科矯正をするうえで、デメリットを知っておくことは非常に重要です。
舌側矯正におけるデメリットは以下の通りです。
費用相場が高い
舌側矯正は、表側矯正と比較すると費用が高くなります。
後ほど詳しく解説しますが、保険適用外の自由診療ということに加え、歯科医師の専門性の高い技術と経験が必要になるからです。
歯科矯正は、矯正方法が違うと費用も大きく変わってきます。自分に適している歯科矯正方法を選択する際には、どれくらいの費用がかかるのか把握しておくことも大切です。
矯正装置に違和感を覚えやすい
舌側矯正は歯の裏側に矯正器具を装着するため、慣れるまで違和感を覚えることがあります。本来、舌側矯正の矯正器具は、舌の位置や動きを邪魔するものではありません。違和感を覚えてしまう原因は、舌の癖があるためです。
矯正器具による違和感はデメリットではありますが、舌癖が改善されるという点ではメリットともいえるでしょう。慣れるまでの期間には個人差がありますが、約1~2週間といわれています。
慣れるまでは矯正器具が舌に接触して傷付いたり、口内炎ができやすくなったりすることもあるので注意が必要です。
慣れるまで話しにくい
矯正器具が邪魔をして、発音がしにくくなることがあります。日本語では、さ行・た行・ら行、英語では、「th」の発音が多少難しくなります。これは、矯正器具に違和感を覚えるのと同様、舌癖がある方に多い傾向にあります。
しかし、矯正器具を装着している期間ずっと続くわけではありません。慣れればスムーズに発音できるようになります。個人差はありますが、2週間~1ヶ月程度で慣れることが多く、話しにくいというデメリットは自然に解消されます。
歯磨きが難しい
矯正器具を装着していなくても、歯の裏側の歯磨きは難しいといわれている箇所です。矯正装置が裏側にあることで、その難易度はさらにあがります。
磨き残しがあると、虫歯や歯周病、口臭の原因になりかねません。丁寧な歯磨きを心がけることが大切ですが、自分の力では限界があります。定期的に歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。
舌側矯正にかかる費用相場
舌側矯正は、表側矯正に比べ、費用が高くなります。その差は比較してみると、一目瞭然です。
- 舌側矯正の費用相場:110~180万円
- 表側矯正の費用相場:60~150万円
舌側矯正は、保険適用外の自由診療が一般的です。
また、舌側矯正では既存の矯正器具を使用できません。全てオーダーメイドなので、歯科医師の高い技術と知識・経験が必要になります。必然的に治療にも時間がかかるので、費用も高くなるのです。
舌側矯正は高額になりますが、歯科医院によっては分割払いができたり、デンタルローンを組めたりと、費用の負担を軽減するシステムが導入されていることもあります。「舌側矯正を検討しているけど治療費が不安」という方は、歯科医に相談してみてください。
まとめ
舌側矯正の最大のメリットは、「目立たないこと」です。歯並びにコンプレックスを感じている方や、自信を取り戻したい方にとって、舌側矯正は魅力的な選択肢といえるでしょう。
しかし、舌側矯正が高額なのも事実です。加えて、デメリットもあることを忘れてはいけません。歯科矯正方法を選ぶ際は、自分の症状や経済状況に合った選択をすることが大切です。
歯科矯正にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。